ABOUT
運営情報
- 企業戦士がWEB経験0からはじめるSTEPUPブログ -
今、ちまたで大流行の「うんこ漢字ドリル」。つい先日、63万部突破という話があったのに、今日の記事ではついに100万部突破との話が出ていた。
現在、活字離れが必至のこの世の中で100万部を達成することの凄さといったら、もう…。想像は出来ると思うが、イメージするなら「CDがミリオンセラーとかもうあまり聞かないこと」と一緒だと思う。
私は現在、とある会社の商品開発部門に携わっているが、こんな勢いで売れることがいかに難しいかは痛感している。だからこそ、なぜ売れたのかがすごい興味を持ったのでこれから説明していきたいと思う。
「小学生が6年間で学ぶ1006字を学習する事の出来る漢字ドリル」。
「1006字の漢字すべてに3つの例文を用意し、計3018文をうんこを例に漢字を習得する教材」である。要は「うんこまみれで漢字を学ぶことの出来るドリル」。
正直、例文一つひとつに少し変なモノもあるが、そこがユニークなところ。「春らしい色のうんこだ」って少しよくわからない(笑)
どのようなドリルか分かったところで、ここからはターゲットから見る販売好調理由を説明していきたいと思う。
実際に文字で起こしていたが、資料に纏めたほうが分かりやすいと思った為、今回はパワーポイントで作成を行った。
意外と大事なポイントだが、実はターゲットには2つの視点が必要で、それは「使用するターゲット」と「そのモノを購入するターゲット」。
例えば『カルピス』なんていい例だと思う。『カルピス』は子供によく飲まれる飲料だが、それを実際買うのは誰かというとその子供の母親ですよね。その母親が『カルピス』は仮に健康に良くないというイメージを持っている人であれば、買ってもらえないことのほうが多いのではないだろうか。
つまりターゲットを決める際は「買う人の手に取りたいと思えるベネフィット」と「使用する人の使いたいと思えるベネフィット」を把握した上で検討しなければいけない。
このことから言えるように、ターゲットというのは2つの視点から考えないといけないことがわかりますよね。勿論、使用者と購入者が一緒の場合は1つで構いませんが。。
今回のケースで言えば、使用者は「小学生」、購入者は「母親」となります。
そして、その小学生と母親の心理としては、資料に書いている通りですが、
小学生は「勉強を得意としていない小学生」や「作業要素が強く億劫に感じる小学生」などが挙げられ、母親はその子供の姿を見て、「とにかく集中して勉強して欲しい」とか「自発的に勉強して欲しい」とかが心理的にありそうな気がする。
ペルソナでいうなら、ドラえもんののび太くんとお母さんをイメージするといいでしょうね。
ここからはのび太くんと母親をイメージしてもらえばわかりやすいのだが、では「勉強教材に最低限必要な要素はなんでしょうか。」ということを整理する。
のび太くんは「難しくないこと・わかりやすいこと」である。やはり難しいだけでやりたいという意欲は低下するからだ。またわかりやすくないと、そもそも理解できない。なのでここは必須だと考える。
一方「母親は?」というと、「当然勉強ですので小学生で学ぶ必要のある部分はしっかり網羅していて欲しい」というのは教材には求めますよね。また単発の勉強でまた勉強しなくなったら、それも神経を使うので、やはり「継続的に学べる教材がいい」というのも一つですね。
以上のことを踏まえて出た結論は
各学年で学ぶべき内容を(継続性)
しっかり学ぶことが出来ながら(網羅している)
子供が遊び感覚で楽しく学ぶことの出来る(難しくない・わかりやすい)
勉強法 となったのではないかと考察。
これは資料を見て貰えれば明らかですが、「うんこ」というユニークさも勿論ありますが、それだけでなく、見やすさとわかりやすさ、例文の多さも一目瞭然ですね。
販売好調につながった理由は、現代の活字離れを踏まえて「わかりやすく、そして難しくない教材にしたこと」が良かったのかなと。まさに世の中を捉えた戦略ですよね。
また「うんこ」という小学生が大好きなワードをキーワードにすることでより身近で親近感のあるテイストにしたことも販売好調要因としては間違いないですよね。
ただ購入者である母親から見れば「うんこという言葉で勉強して欲しくない」という方もいたと思います。そういう方はそもそもターゲットにしておりません。あくまで「とにかく子供が集中して勉強してくれるなら手段は選ばない」という母親のみです。
ただ、教材を発売するまでに2年かかったとのこと。
おそらくこれは推察だが、現代は情報社会、教材としての価値が評価されれば、いずれそういう方々も囲むことが出来ると考えたのではないかと感じる。
それだけ中身においても工夫が為された教材であると思った。今までのようなキャラクターを表紙にしたドリルから中身にも徹底的にユニークを盛り込んだ教材で一貫して手を抜いていない渾身のドリルという事もひしひしと伝わってきた。
筆者はこの2つだと捉えた。
一つは「勉強は真面目に」というところから、「笑う価値を付加し楽しく勉強に励むこと」が出来るようにしたことです。
もう一つは「全学年を網羅し、継続的に学ぶことの出来る環境を整えたこと」です。もしこれで小学1年生の時に学び、効果が出ればおのずとして2年生、3年生と続く可能性があるかもしれないからである。そういった意味で継続性があるのではないか
今回はターゲット戦略から見る販売好調要因について記事を書いた。ただそれだけではこのような爆発的ヒットにはならない。それ以外にもSNSなどを活用したプロモーション戦略や価格戦略などもトータルを見て、好調要因を捉えていく必要がある。
筆者としては「今度このような教材によって本当に学力UPに繋がるのか」はとても興味深い内容である。もし仮に『うんこ漢字ドリル』のブームが去っても「勉強に笑う価値を付加した教材は新しい勉強法」として確立するからである。
最近歴史を学ぶことも漫画で学べたり、ビジネス本も漫画で学べたりと、時代に合わせて学習の仕方も変わっている。
だからこそ『うんこ漢字ドリル』を皮切りにより理解しやすい勉強法が見つかることを楽しみにしている。
おしまい。 【文字数:3230文字。作成時間:3時間】