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『ブレイクスルー ひらめきはロジックから生まれる』は、元「博報堂」の木村健太郎氏と磯部光毅氏がタッグを組み、思考の壁を突破する「ブレイクスルーの思考法」を探究した書。
筆者は㈱宣伝会議が開催する展示会にて、この本と出合い、現マーケティング職の筆者にとっては、柔軟な発想を意識づける上で、大変参考になった。
新しい発想で難しい課題解決に挑む、ビジネスパーソン、研究者、クリエイター、学生など幅広い方にお勧めできる本書。普段から考え方が凝り固まっていると感じる方には、是非読んでほしい一冊である。
『ブレイクスルー ひらめきはロジックから生まれる』は、博報堂時代に共にアイデアを出し合った二人が「自分たちはどうやってアイデアをつくっているんだろうね」という何気ない会話から生まれたとのこと。
全7章で構成された本書は、ブレイクスルーの思考法を、時折、例を交えながら説明が為されている為、 とても理解がしやすい。また、博報堂時代の実際の事例である為、信憑性も高く、実践にすぐ活用できる点も魅力のひとつ。
早速、一部、内容をご紹介したい。
本書の最重要キーワードである「ブレイクスルー」についての説明から、この本が始まる。本書では、「ブレイクスルー」について、以下の様に説明がなされている。
ブレイクスルーとは、創造的な思考で、壁を突破し、結果、課題が解決されること。ブレイクスルーとは、行為と結果のふたつからなる一連の現象である。
P.10 L1-5
ここでは「壁を突破する為に創造的な思考」という行為に対し、「見事な課題の解決」という結果が出て、はじめて「ブレイクスルーと呼べる」と論じている。行為に対して、結果が伴うことが大事であり、闇雲に課題の壁にぶち当たった時に、ブレイク(壊す)するだけでは、それは単なる見切り発車に近いというわけである。
思考の壁を突破する方法がブレイクスルーである以上、突破の妨げになる考え方から脱しなければいけない。本書では、妨げになる考え方として、2つ挙げている。
①.パターン
②.一方通行
ひとつは「脱・パターン」。経験値や原理から導かれたパターンは、時として柔軟な発想の妨げになるということ。もうひとつは「脱・一方通行」。順序だったプロセスに沿って、考えることは本当にいいのだろうかという点。戦略をがっちり固めることは、逆に、その時々で出てくるアイデアを遮断してしまう。
その2点を意識しながら「多角的に思考のアプローチを行うこと」が必要であると論じている。本書では、そのアプローチの方法として8つの思考ロジックを紹介している。具体的には、2つの論理的思考と6つの発想に役立つ思考と大きく分けて、説明をしている。
第5章では「思考ロジック」について紹介がされている。実際に、表に纏めると以下の通り。
1 | 三段論法 | だから | 論理的思考 (街の思考ロジック) |
2 | つみあげ | 以上から | |
3 | 連想 | といえば |
発想に役立つ |
4 | 組み合わせ | 組み合わせてみたら | |
5 | 類比 | 同じように | |
6 | 仮説 | これが意味する事は | |
7 | 仮想 | もしも | |
8 | 逆転 | 逆に |
先に「街」と「森」についてお伝えすると、第2章に説明されている内容である。論理的思考と発想に役立つ思考を、本書では「街」と「森」を例に論じている。
簡単に言えば、
☞考えが論理的に構築された思考ロジック=整備された安全な「街」と捉え、
☞直感的なひらめきが生み出す思考ロジック=リスクもあるが、可能性のある未開拓な「森」と表現している。
それらは片方だけを活用するわけでなく、
1.街の思考で整理をし
2.森の思考でアイデアを見つけ
3.また街の思考で検証し、磨く
といったように、ブレイクスルーが生まれる為には「街」と「森」を行ったり来たりすることが望ましいとのことである。その為に、必要な要素が、上記の8つの思考ロジックというわけである。
演繹法である「三段論法」ではこのような例が出されている。
前提 ) 夏は暑い。
前提 ) 8月は夏だ。
☟(だから)
結論 ) 8月は暑い
「連想」ではこのような例が出されている。
事案 ) カレー
☟(といえば)
連想 ) 辛い
☟(といえば)
連想 ) 口から火を噴く
☟(といえば)
連想 ) ゴジラ
☟
発想 ) ゴジラカレー
連想をする場合、アタマの中では発想の原点になるものの特徴の一部を切り出して、似たものを探すというプロセスを経る。他の6つの思考法も同様に、事例に沿って説明が為されている。
広告代理店の方が書いた本ともあって、とても伝えたいところが明確であり、本の見せ方も大変読みやすい仕立てとなっている。一回だけで理解するというよりかは、自らがアイデアに煮詰まった時に、見直すためのバイブル的な要素がある本だと感じる。
筆者は、既に3回程読み直している。
是非、マーケティング本など何を買おうか迷っている人に是非読んでほしい1冊。
おしまい。【文字数:2248文字、作成時間:1時間45分】